やってみて分かった!置き換え実験 ガス浸炭 VS 真空浸炭

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『深穴部の浸炭バラツキを改善できるか?!』

ガス浸炭ではどうしても浸炭し難い、深穴部の浸炭硬化を
真空浸炭で改善できないか、チャレンジしてみた。
私がやってみた!品質保証部 奥川 翔吾
真空浸炭焼入の強みとは! 真空浸炭の真髄 対談 真空浸炭炉メーカー 金属熱処理会社

不二越製 3室型真空浸炭炉 NVC-10ST型

比較写真

テスト材:φ25 SCM420

真空浸炭

ガス浸炭

比較硬化深さ

真空浸炭

ガス浸炭

シミュレーション

今回は、真空浸炭焼入炉を熱処理条件を入力することで、予測される浸炭深さなどが一目でわかるシュミレーターを使って焼いてみた。

今回の実験で困難だったことは?

ガス浸炭と違い、真空浸炭は過去の蓄積技術データが乏しく、焼き上がるまでどうなるか見当が付かない。何度でも設定を変えていけば、いつか最適なレシピに辿りつくと思うが、そのためには膨大な時間とコストがかかってしまう。いかに最短ルートで適切な浸炭条件を設計できるか、そこに苦戦した。

どのように困難を克服したか?

実際に焼かなくとも、結果が予測できるシミュレーションソフトを使ってみた。これは熱処理条件を入力するだけで予測が立つので、時間とコストの大幅な短縮が可能だ。が、その前にシミュレーションソフトの取り扱いをマスターするのに手間取ってしまった(泣)。

今回の実験で得た知見は何か?

今さらながら、真空浸炭はシミュレーションソフトを利用すれば最適条件を効率よく設計できる。もちろん今回の実験テーマであった深穴部の浸炭硬化も均一にできることがわかった。ガス浸炭との差は明らかで、真空浸炭の場合表層部と底穴の浸炭深さがほとんど変わらないという明確な結果が出た。恐るべし、真空浸炭!